翻訳家&日本語学校教師 有澤真庭さん
英語を話せたことで、新たな道が拓けた-2
Successful Interview!
~英語力を活かして働く~ Vol.05
――語学学校ではどのような仕事をされているのですか?
日本語を教える教師です。私の勤める学校は各先生に教材作りを一から任せているので、毎回授業の準備に時間がかかります。例えば「何をどういう順番で教えるか」「教科書を使わずに工作やゲームなどを通じてどう教えるか」を考えます。また、素材も自分で用意したり作ったりしないといけないので、とーっても手間ヒマがかかります。
――日本語を教えるには、かなりの英語力が必要なのでは?
意外かもしれませんが、日本語の先生に英語力はそれほど求められません。しかし、言葉の意味や、文法などを英語で説明する必要があるにはあります。私は、とっさに対応できる知識と能力がないので、事前に何種類か英語のテキストを確認して、自分で説明でき、かつ子どもにも理解しやすいようにまとめておく作業をしています。
余談ですが、先生になってから、学生時代の自分の態度を反省することしきりです。魅力的な授業にするよう心掛けてはいるのですが、授業中のアクビはとても傷つきますね。
――英語力を身につけたことが、ご自身のキャリアにどう影響したと思いますか?
実は、私は字幕翻訳家になるのをあきらめた過去があります。その後、別の道を探す時に、3DCGアニメーションのソフトウェアを使えるようになりたかったのですが、英語の資料の方が日本語よりも豊富で何かと優れていたので語学力を有効活用できました。結局、今も字幕ではありませんが、翻訳の仕事をいただけていますし、日本語教師もしているので「芸は身を助く」といった感じです。
英語力を身につけておけば、いつかどこかで何かに煮詰まってしまった時、「英語ができる」ということが、新たな道を拓くきっかけになってくれるかもしれませんよ。
――世界で活躍するには、英語力以外に具体的にどのようなスキルが必要だと思いますか?
「人に愛されるスキル」ズバリこれでしょう! 右も左も分からぬよその国で、頼りになるのは他人ですから! 慣れない国では、周りが全部敵に見えてしまいます。そうなると悪循環に陥るので、嫌な目に遭っても、心を閉ざさないでいましょう。私も、いつもそう自分自身に言い聞かせています(笑)。
――最後にCheer up! English読者に、応援メッセージをお願いします。
インターネットは語学学習の心強い味方だと思います。「Cheer up! English」をはじめ、いろいろ活用して、是非楽しみながら、英語を学び続けていって欲しいと思います。私も引き続きがんばります!
■プロフィール
有澤真庭
ペンネーム「e-sheep」。アニメーターや編集者などの仕事を経て、現在はくもりときどき翻訳家、ところにより日本語先生。主な訳書に、『ハムナプトラ3』『One Direction The Ultimate Photo Collection』『アナと雪の女王』(竹書房刊)。字幕に『ぼくのプレミア・ライフ』(コロムビアミュージックエンタテインメント)等がある。
取材・文/さいとうよしかず(編集部)