『S −最後の警官−』 向井理が英語で
「ぜってぇ死なせねぇ!」と吠えたなら
あのドラマの名セリフを英訳!!
構成・文/松本考史
今期の冬ドラマは例年以上に警察モノが豊作。なかでも今最も旬なイケメン、向井理さんと綾野剛さんのW主演で話題の『S −最後の警官−』(TBS・日曜午後9時)が、高視聴率を記録しています。そこで今回は、主人公、神御蔵一號(かみくら いちご)と蘇我伊織(そが いおり)の名セリフを英訳。さらに、海外ドラマや映画で頻出する警察用語もご紹介します!
<これまでのストーリー>
元ボクサーの一號は引退後、町の巡査として働いていたが、新設された特殊部隊NPSの隊長・香椎(大森南朋さん)の目に留まりスカウトされる。一方、SATのスナイパー・蘇我は、凶悪犯を生きたまま確保することを目的としたNPSの存在に疑問をもち、ことあるごとに一號と対立する。
■神御蔵一號(向井理さん)
幼なじみの棟方ゆづる(吹石一恵さん)の両親を、通り魔に目の前で殺された過去をもつ一號。『犯人が死んでしまったら、被害者の痛みは伝わらない』という信念のもと、制圧(射殺)せず凶悪犯を捕えることにこだわる彼の決めゼリフがこちら。
「ぜってぇ〜死なせねぇ!」
I will never let you die!
他に “I'm not gonna let you die.”でもOKです。
余談ですが、“die(死ぬ)” を使わずに「行ってしまった状態でもう二度と会えない」という意味から、“gone”で死を表現することがよくあります。
例えば、“She is gone.”は「彼女は死んでしまった」という意味です。
犯人を生きたまま捕えるのが、一號たちNPSの使命。ミッション成功時にはこのセリフを叫びます。
「確保!」
I caught the suspect alive!
ここではあえて“catch alive(生け捕り)”という表現を使用しました。
「確保」は、「逮捕」とほぼ同義なので“I arrested the suspect. (容疑者を逮捕した)”のほうがフレーズとしては、ポピュラーです。
SATの一人が、立てこもり犯達からいっせいに銃撃を受けるも、待機指示のため動けない隊員たち。その様子を見てられず、単独で救出に向かう一號の一言。
「仲間助けらんねーで、何が警官だ!」
You stand there and watch colleague die. Conduct unbecoming policemen!
ここでは、“stand there and watch someone die(何もせず見殺しにする)”と“Conduct unbecoming policemen(警官としてあるまじき行為)”というフレーズで表現しました。
■蘇我伊織(綾野剛さん)
NPSの「確保」という考え方を「甘い」と言い切り、再犯率の高さなどから『犯罪者は反省しない、だからこそ射殺という方法も必要』という考えをもつSATの蘇我は、
「凶悪犯の命は救うに値にしない」
The killer is not worth living.
としたうえで、自身と相反する信念を貫く一號に対して、こう言い放ちます。
「お前のキレイごとじゃ、この国も大切な人間も守ることは出来ない」
In your idealistic theory, neither this country nor an intimate person being can protect.
「キレイごと」という意味の英単語はないので、ここでは“idealistic theory(理想論)”としました。ちなみに“You are picky! (キミは理想が高すぎる!)”という言いまわしもあります。これは、こだわりがありすぎて、なかなか恋人ができない友達に使える便利なフレーズですね。
さて、海外ドラマでも警察を舞台にした作品はたくさんあります。そこで、覚えておくとセリフのリスニングに役立つ英語をご紹介。
◆detective:「刑事」
◆suspect:「容疑者」
◆victim:「被害者」
◆lawyer:「弁護士」
◆hostage:「人質」
◆murder:「殺人」
◆surveillance:「張り込み」
◆criminal record:「犯罪歴」
◆motive:「動機」
◆alibi:「アリバイ」
◆testimony:「証言」
◆evidence:「証拠」
◆perjury:「偽証」
◆ballistic:「弾道」
◆handcuffs:「手錠」
◆search warrant:「捜査令状」
◆remains:「遺体」
◆morgue:「死体安置所」
◆autopsy:「死体解剖」
◆cause of death:「死因」
いかがでしたか?第3話からは、オダギリジョーさんが演じる、国際テロリスト「M」が登場。反目し合っている一號と蘇我がどのように凶悪犯と向き合うのか、今後の展開が楽しみです。佳境に入れば、名セリフが誕生する可能性も大。引き続き編集部も『S −最後の警官−』を追いかけますね。